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コンセプト良し、設定良し、描写も素晴らしい作品ではあった。

このコンセプトで世界のマーケットで勝負する為に行ったであろう
取捨選択、そこに手放しで楽しめなかった要因があるような気がする。

取捨選択の「取」
夢の中のアクションは所詮夢なので、危機一髪な状況でも手に汗握るどころか
ハラハラすらしない。それが何度も出てくるとただただ退屈だった。
<虚無に入る>や<キック>というルールは規定しているが
所詮は夢の中、撃たれても、殴られても何とも思えないのは致命的。
そこは認識はしているがアクションシーンは世界のマーケットでは欠かせないので
「取る」選択をした。

取捨選択の「捨」
深層心理、意識、無意識そして夢
その辺りがコンセプトの物語なのだから、何層にもなった夢やルール
をもう少しわかりやすくエンタテインメントするか、
更なるアイデアで魅せる方が、より完成度は高くなったであろう。
何層にも重なった夢をレイヤー分けして鑑賞すれば、簡単に見れる作品だが
そのレイヤー分けのキーワードを簡単な方法で入れると作品の趣旨を損ねる。
もしくは更なるアイデアで意識や無意識にもう一歩踏み込むと
例えば『マルコビッチの穴』(例が悪い・・)のように地味な
作品になるか、押井守作品や『マトリックス』のような二番煎じになってしまう。
なのでその線は
「捨てる」(というか更なる踏み込みなし)選択をした。

それは監督の意志というよりも
製作者の指示というよりも
世界のマーケットを意識せざる得ない取捨選択によって

ハイコンセプトではあるが
ストーリーテリングが極めて脆弱な
演出や描写は卓越している
映画になっているのでは?
と感じた。




 
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