ネットフリックス『サンクチュアリ-聖域-』のプロデューサーOの独り言

バカな女教師とアホな男子生徒のおバカな駆け落ちラブストーリー・・・
と見せておいて、周到に、そのバカさの奥に潜むやさしさと
そのアホさと背中合わせのピュアさを入念にブレンドして物語を転がしていく。

驚きの怪作である。

セリフの端々でチラチラ見える人生観、社会への目線が
多くは語らていないが、その言葉の奥や行間に
実に巧妙に仕掛けられている。

現代の世の中の問題点を的確に言い当てている評論家は星の数ほどいる。

その問題に対する効果的な対処法を挙げている作家も腐るほどいる。
しかし
机上の空論がほとんどだ。

なぜか？

実際の火事場の対岸にいる人の意見が多いからではないか？

例えば、普天間問題や宮崎の口蹄疫に関しても。

こんな事を書いていて、アレ？と自分で思ってしまうが
書きたくなってしまう、言いたくなってしまう仕掛けが作品に
仕込まれているのだ。

そんな巧妙な仕掛けをおバカなラブストーリーに
仕込んでくる恐るべし２０代前半の新人映画監督。
その力は計り知れない。

そして、そのメッセージは平成生まれの人たちにとっては
きっと、机上の空論ではなく、実際に明日から使える処方箋になっているような
気がする。