クリーピー 偽りの隣人

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もう何年も前、黒沢監督がロケハンの途中に言った。
車内の撮影は、車を停めたままで。
またはスクリーンプロセスはどうだろう・・と。

震えた••••。

どういう事か?

脚本の柱に書いてある、例えば[車内]を、車内ではない妙な所へ、
[家中]を家中とは全く違う所へ、
[警察署]をどう見ても警察署ではない所へ、、、そうやってキツネがやるように、
観客の頬をつまんで混乱させてマインドコントロールして、
逸脱に次ぐ逸脱で、観客をひいひい言わせる•••。

ミステリー、サスペンスのジャンルというよりは、黒沢清作品というジャンルである。

アクションを超越しているジャッキー•チェン作品というジャンル、
あるいは、論理や理屈を超えた逸脱した文体で世界観を構築して読者を翻弄する谷崎潤一郎のようでもある。

端正に逸脱した世界をもっともっとスクリーンで観せてほしい。



 
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