オーシャンズ

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ユニークな深海生物の映像や様々な海洋生物の生態、
それ自体はNHKの番組やケーブルテレビの○○チャンネルで、
もっと不可思議な生物を大量に見ている人にとっては
新鮮な映像は少なかったのかもしれない。

しかし、魅力的な作品に仕上がっているのはなぜなのか?
驚きの映像!的なスタンスで見せなかった事が一つの要因であるのと
全世界津々浦々(この熟語は不適当?)に渡り、
長い年月をかけているのが一番の理由だろうが、
見逃せないのはカメラワークと効果音。

イルカやクジラと併走する撮影方法をはじめとする新開発の機材によるカメラワーク。
明らかにまったく違う音を使用している効果音。

この映像と音により、海洋生物たちの鼓動や会話が聞こえてくるようで
その生活感がまるで近所のおじさん、おばさん、にいちゃん、ねえちゃん
がそこにいる・・・という感覚だった。
あまりにも優雅なクジラや、のびのびと気持ち良さそうに泳ぐイルカたちは

    
    俺たちは太陽が昇ったら起きる、腹が減ったら、魚を食べる
    だけど腹がいっぱいの時はその魚たちは海の仲間だ。
    無駄に採ったり食べたりしない。そして太陽が沈んだら眠る。それが
    あるだけだ。月日も時間も曜日もない。元来、海にはもちろん、
    この地球にもそんなモノはない。
    それに似た事があるとすれば心臓がドッキンドッキンしている、
    それがいつかは止まる・・・それだけだ。
    勝手にそんなモノを作って、勝手にソレに追いかけられて、
    その帳尻あわせに海に侵入してくる・・・
    そんなモノを海に持ち込まないでくれ。
    俺たちを撮影している奴らは信じない。
    俺たちを捕らえる奴らは敵だ。
    俺たちを保護しようしている奴らの言う事も聞かなくていい。
    ただ俺たちはいつまでも、このままでいたい・・・・ただそれだけだ。



勝手にそんな事を言われているような気分で映画館の最後部の席から
水族館のようなスクリーンを見ていた。


この作品は説教臭いという周りの声は多い。
確かに説教臭いが、それで見落としてはイケナイ事がこの作品にはある。

叫んでいるのは海洋生物だ。
発信されている<悲痛な叫び>と受信されている<説教臭い>の
温度差は海と陸の温度差以上のモノがあるという事に関しては
部分的に作り手に共感はできる。
作り手が介在することによって叫びが捻じ曲がったメッセージになっている側面も
否めない。

動植物と人間の問題同様、一刀両断にはできない力作ではある。



 
この記事へのコメント
ブログにコメント下さって、ありがとうございました。

この映画は、長年ダイビングを趣味にしている友人に勧められて観ました。

>叫んでいるのは海洋生物だ。
>発信されている<悲痛な叫び>と受信されている<説教臭い>の
>温度差は海と陸の温度差以上のモノがあるという事に関しては
>部分的に作り手に共感はできる。

私もそう思いました。
「説教」であろうがなかろうが、「悲痛な叫び」が存在するのは事実だと。
それは、この映画の作り手に「説教」されなくても、そもそも私たち共通の問題なのだと。(終盤の「メッセージ」は、むしろ作品を損なうような気もします。)
Posted by ムーマ at 2010年02月28日 11:26
ムーマさんコメントありがとうございます。
Posted by ogawa-Pogawa-P at 2010年02月28日 23:22
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