告白

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面白い、けど・・・ スリリング、だけど・・・
音楽に例えると、良い歌詞なんだけどメロディが無い。
野球に例えると、良い試合なんだけどヒットもホームランも無い。
なぜか?
タイトルが「告白」だけあって、登場人物のモノローグのみで進むので
ダイジェスト的に話が進行するのが物足りない。
それぞれの人物の側面、裏面の描写があってこそ、
物語に奥行きが生まれてくる・・・、と思ったりするのは見当違いなのだろうか?
約300ページを一気に読ませるスピード感にそんな事は不要なのだろうか?
そんな所が気になった。

つじつまが合わない部分や希望が無い展開、そんな作品は昨今多いので
その辺はやり過ごすことができた。
共感できる部分もあった。

作者の殺人という行為に対する考え方、
違法行為へのスタンスが明確で気持ち良いのは
救いというか、そこが根本の作品でもあると感じた。
猟奇殺人や劇場型犯罪を題材にして話題を狙う、
あるいは数字の事だけを考えて、
わざわざこの手の事件をネタにするテレビ、小説、映画への責任感の不在、
取り扱うにあたっての権利と義務に対するスタンスは明快だ。

そして映画化。

良い歌詞に独特で多様のメロディをつけるのが得意技の中島監督。

久々に<原作を超える映画>を見れそうな気配。

いい意味でも悪い意味でも揮発性の高い(話題になりやすい)危険物に対する微妙な、
さじ加減が問われる作品だ。

そして
内輪の話だがこの作品は絶対にヒットさせて欲しい。
それしかない。



 
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