実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

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3時間半・・いろんな意味で長い長い映画だった。
まがりなりにも「光の雨」にスタッフとして参加していたので
この作品がかなり気になっていた。

60年安保の終結から共産同(ブンド)の誕生と分裂、
そして京浜安保共闘と赤軍派の両組織の合流を経て山岳ベースでの
訓練、そして・・・。さらに、あさま山荘での検挙、現在まで未だ終了していない事実を映画で検証し、
オトシマエをつけようという思いは充分に伝わってくる。

実名を使い、ノンフィクションをベースに巧みに作り手の思いや当時の世相を
フィクションを絡めてセリフにし、淡々と凄惨さも含めて事件を追っていく。

これが事実なんだ!(文献が数々出てますが、真実は藪の中?)
という客観的提示は必要だしこれを題材に
観客は議論をすればいいと思う、そのキッカケを作ることは非常に重要なことだと思う。

そして全ての事柄を解体して裁かれるべき事柄は裁かれ、
検証すべき事柄は検証、伝承しないとイケナイ。

そして総括と自己批判が必要なのはいったい誰なのか、何なのか・・・
そういう意味で作られるべき映画、見られるべき映画だと思う。

が。

消化がうまくできないのは僕だけか?・・・
例えば逮捕直前、「勇気が足りなかった・・・」というセリフには疑問が残る。
最若者のセリフということは現代の若者へのメッセージにもなっているのか
も知れないが、途中でやめる勇気・・・オフサイドする勇気なんて
生まれる空気でない事を延々と凄惨過ぎる程描いてきてるのに
最後にソレ?・・・

もちろん単純に違う意味で勇気があったと言いたくも無いが・・・
法的に処罰されるべき事柄、同世代的にも世論的にも同情の余地も無い事柄が
ほとんどかもしれないし、英雄視されるのも論外だろう。

ただ、それ以外に映画だから言えること、同世代だから言えること
は言わなくて良いのか?それだけでいいのか?そんな言葉でくくっていいのか?
これは実録に徹して言いたいことはこれから?
・・・・・なのか・・・・・・

そんな疑問も残ったが、
まだまだ元気そうな勢いに&パワーに、脱帽の3時間半だった。



 
この記事へのコメント
実録って書いてあるだろ、と言われたらその通りなのですが……。若松監督というフィルターを通ったらどうなるかが楽しみだったのですが……。唯一、若松監督の主観が入る科白が「勇気が足りない」では、腰砕けでした。この言葉で一刀両断されて、怒らずに褒めている団塊の人たちって一体何でしょう?
Posted by ao at 2008年04月20日 07:36
やっぱりそうですよね・・・
今度、ゆっくりお話させてください。
Posted by ogawa-Pogawa-P at 2008年04月20日 21:18
Ryuさんコメントありがとうございます!
Posted by ogawa-Pogawa-P at 2009年02月09日 00:49
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