1Q84

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最初に作者のエルサレム賞スピーチの一部
「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、
私は常に卵側に立つ」ということです。
・・途中省略・・
壁側に立って作品を書く小説家がいたら、
その作品にいかなる価値を見い出せるのでしょうか

その卵の考え方、行動のしかた。
あるいはその欲望が、ある一線から逸脱する・・と
リトルピープルが出現し<空気さなぎ>を作成する。
そして卵本体への牽制、場合によっては暴力や殺人も辞さない強い態度で
粛清あるいは覚醒を促す?

この1984年→1Q84年、卵本体の何かが変わり始めた年。
卵を囲む環境のインセンティブが変化し
黄身自身のメンタリティの変化の対応を余儀なくされた。

その変色の色によってはリトル・ピープルの登場となる・・・・
ある者は真っ赤に・・また、ある者は透明に・・

今年は200Q年、
もう後戻りは不可能のQの時代の
病巣の指摘→病名の宣告・・・まではわかるのだが
その後の、治療法の可能性→処方箋の具体例
まで言及すらしないのが理解に苦しむ。
もっと言うと処方箋の一元的なつまらない具体例を
驚愕のエンタテインメントで魅せる・・・のが
卵側に立つ表現者の使命ではないか?

メッセージよりもストーリーを重視する。
作家性を押し殺してエンタテインメントに徹する・・
ような普通の作家がやるような事では
このような題材は回しきれない。
最初から扱うべきではない。
相変わらずIQの高さを演出するために
カッコいいロックバンドや高級ワイン、クラシック音楽の羅列
で静かないい雰囲気を醸し出しているが
時代は200Q年である。バブルははじけ散っている。
時代設定とはいえ・・・・
本当に2009年に出版された1Q84というタイトルの小説を読んでいるのか
表紙を見返した。


崖の上のポニョ」の時にも書いたが
ストーリーが破綻してしまう、あるいはそのギリギリの所で踏ん張るような
決壊寸前のメッセージとストーリーの大きな流れ、のようなモノがないと
その作品にいかなる価値を見出せば良いのか観客や読者は迷走する・・・
結果、卵側ではなく壁側に立っている作品と混同してしまう。

最後に作者のエルサレム賞のスピーチの結び

私たちは皆、実際の、生きた精神を持っているのです。
「システム」(シャカイ)はそういったものではありません。
「システム」(クニ)がわれわれを食い物にすることを許してはいけません。
「システム」(キョウドウタイ)に自己増殖を許してはなりません。
「システム」(カイシャ)が私たちをつくったのではなく、
私たちが「システム」をつくったのです。
これが、私がお話ししたいすべてです。
スピーチは素晴らしい!

タイトルが
1Q24であれば大正ロマンを圧倒的なエンタテインメントで描いて問題なし。
17Q4であっても浮世文化を今までのように描けばよい。

1Q84にした以上は、その高く上げたハードルを作者自身のリトル・ピープルを
総動員してでも飛び越えて欲しかった・・・
もう本当に後戻りは不可能かもしれないのだから・・・・

それにしても
本日の阪神vs巨人のQ回表の
鳥谷、リン、葛城の三連続本塁打は
涙が出そうだった・・・
バース、掛布、岡田の三連続バックスクリーン以来だ。
1Q85→200Q 三連続本塁打
1Q85→200Q カーネル・サンダース 見つかる。

もっと力を!
ビッグ・ブラゼル!じゃなくて
ビッグ・ブラザー!

ちなみに次回の劇場版ヱヴァは
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」だそうです。
今年の流行語大賞はQ?





 
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